ティオンヴィルから電車で25分。そこには、フランスの大聖堂のなかで最も広いステンドグラスを持つゴシック大聖堂があります。「フランスで最も美しい駅」に3度選ばれた駅があります。そして、パリのお店で買った中国の帽子をもとに設計された現代美術館があります。
その街の名は、メス(Metz)。ティオンヴィル周辺に出張で滞在する方の多くは、高速道路から眺めるだけで通り過ぎてしまいます。もったいないことです。黄色い石の街並みに心を奪われるには、1日あれば十分なのですから。
歩いて、見逃さずにメスを1日で観光するためのモデルコースをご紹介します。
ティオンヴィル・アイヤンジュからメスへのアクセス
ティオンヴィルから電車(TER)で:所要約25分。SNCFによると、1時間に最大3本運行しています。いちばん簡単な方法で、駐車場を探す必要もなく、到着する駅そのものが観光スポットです。
アイヤンジュから:メスへの直通列車はありません。車でティオンヴィル駅まで行く(約15分)か、全行程を車で移動するのが便利です。距離は約30キロ、A31号線が渋滞していなければ約30分です。
エタンジュ=グランドから:車でティオンヴィル駅まで約10分、そこからTERで25分です。
時刻表と運賃はTER Grand Estの公式サイト(ter.sncf.com)でご確認ください。
1. メス駅|「フランスで最も美しい駅」
まずは到着した駅で、顔を上げてみましょう。メス・ヴィル駅は、メスがドイツ帝国の一部だった1905〜1908年に建てられました。ライン地方のネオ・ロマネスク様式、灰色の石、そして高さ40メートルの鐘楼。すべてが旅行者を圧倒し、帝国の力を示すためにデザインされています。当時の新聞が伝えた逸話によれば、鐘楼の尖塔は皇帝ヴィルヘルム2世自らがスケッチしたとも言われています。
それから1世紀あまり。人々の評価ははっきりしています。メス駅は、SNCFが主催する「フランスで最も美しい駅」コンテストで、2017年、2018年、2021年に1位に選ばれました。
帝国地区(Quartier impérial)
駅の周りに広がるのが、1902年から建設された帝国地区です。中央郵便局、旧帝国銀行、総督の宮殿……。ネオ・ロマネスク、フランドル風ネオ・ルネサンス、アール・ヌーヴォー、アール・デコと、まるで屋外の建築見本帳のよう。フランス時代の歴史地区とあわせて「王と皇帝のメス」として、2014年からユネスコ世界遺産のフランス暫定リストに記載されています。
2. ポンピドゥー・センター・メス|巨大な「中国の帽子」
駅のすぐ裏手にあり、見逃すことはありません。ポンピドゥー・センター・メスは2010年5月12日に開館しました。巨大な白い屋根が、テントのように波打っています。
設計したのは坂茂(ばん・しげる)氏とジャン・ド・ガスティーヌ氏。坂氏がパリで購入した伝統的な中国の帽子から着想を得たといわれています。日本人建築家の作品がフランスの街のシンボルになっている、というのはなんだか誇らしい気持ちになりますね。
尖塔を見上げてみてください。高さは77メートル。パリのポンピドゥー・センターが開館した1977年にちなんだ数字です。館内の3つの大きなギャラリーでは、近現代アートの企画展が定期的に入れ替わります。
開催中の展覧会、開館時間、料金はcentrepompidou-metz.frでご確認ください。
3. サン=テティエンヌ大聖堂|「神のランタン」
歩いて中心部を抜けること約15分。いちばんの見どころは、このために取っておきましょう。サン=テティエンヌ大聖堂の扉を押して、一瞬、立ち止まってみてください。
光が降り注いできます。ステンドグラスの面積は約6,500平方メートル。フランスの大聖堂のなかで最大です。そのため19世紀から「神のランタン(la lanterne du Bon Dieu)」という愛称で呼ばれてきました。身廊の天井の高さは41.41メートルで、フランスでも屈指の高さです。
建設は1240年代から1520年代まで、およそ3世紀にわたりました。そして物語は今も続いています。1958〜1970年に設置されたマルク・シャガールのステンドグラスを探してみてください。その深い青は、中世のステンドグラスとは違う輝きを放っています。
アドバイス:晴れた日の午前遅めから午後の早い時間に訪れると、ステンドグラスを通る光がもっとも美しく見えます。
4. メスの屋内市場(マルシェ・クヴェール)
大聖堂のすぐ隣に建つ優雅な建物には、ちょっと面白い歴史があります。この屋内市場は、もともと司教の宮殿になるはずでした。1785年に工事が始まり……そこへフランス革命が起こります。結局、司教が住むことはなく、市が未完成の建物を買い取って市場にしました。完成したのは1820〜1830年代のことです。
現在は、ロレーヌの特産品と世界の料理が並ぶ市場になっています。ひと休みにも、ロレーヌのおみやげ探しにもぴったりです。
営業日と時間はメス観光局のサイト(tourisme-metz.com)でご確認ください。
5. モーゼル川のほとりと新教会(タンプル・ヌフ)
水辺へ下りていきましょう。プティ=ソルシー島に建つタンプル・ヌフ(新教会)は、まるでモーゼル川に浮かんでいるように見えます。駅と同じライン地方のネオ・ロマネスク様式で20世紀初めに建てられ、1904年に皇帝ヴィルヘルム2世自らが献堂式に臨みました。
川沿いを歩く人々、白鳥、水面に映る大聖堂。メスを代表する絵はがきのような風景です。日なたでひと休みするのに最適な場所です。
6. 時間があれば|ドイツ人の門(ポルト・デ・ザルマン)
あと1時間あれば、中心部の東へ。ドイツ人の門は、セイユ川にまたがる珍しい「城の橋」です。最初の塔は13世紀、大きな塔は15世紀のもの。高さ28メートル、壁の厚さは3.5メートル。メスの中世の城壁を今に伝える、数少ない遺構のひとつです。
クリスマスのメス|クリスマスマーケット
11月末から12月末にかけて、メスは別の顔を見せます。2026年のメスのクリスマスマーケットは11月20日から12月30日まで、中心部の5つの広場(サン=ルイ広場、サン=ジャック広場、アルム広場、レピュブリック広場、コメディ広場)で開催されます。約130軒の山小屋風の屋台、アルム広場の観覧車、そしてブフレール公園の「ランタンの小道」が楽しめます。
ひとことアドバイス:ティオンヴィルからTERで行きましょう。マーケットの時期は、中心部で駐車場を見つけるのが本当に大変です。
メス1日観光|モデルコースまとめ
| 時間帯 |
行き先 |
| 午前 |
駅と帝国地区、ポンピドゥー・センター・メス |
| お昼 |
屋内市場 |
| 午後の早い時間 |
サン=テティエンヌ大聖堂 |
| 午後 |
モーゼル川のほとり、タンプル・ヌフ、ドイツ人の門 |
| 12月なら |
日暮れのクリスマスマーケット |
週末をもっと楽しむなら、温泉のあるアムネヴィルも通り道です。アムネヴィル観光ガイドをどうぞ。モーゼル県北部を知るならティオンヴィル周辺の観光スポット15選、モーゼルからのルクセンブルク日帰り観光もおすすめです。
メスとモーゼル北部観光の宿泊先
メスの北側に泊まれば、メスまで約30分、ルクセンブルクもすぐそこです。私たちの10室のアパルトマンは、フェンシュ渓谷にあるアイヤンジュ(7室、ティオンヴィルから約15分)と、ティオンヴィルの北、ルクセンブルク国境に近いエタンジュ=グランド(3室)にあります。
- お部屋によって2〜12名まで宿泊可能、ベッドは別々。
- キッチン付き、Wi-Fi、スマートテレビ、ネスプレッソマシン、洗濯機。
- リネン類付き、セルフチェックイン、WhatsAppでのサポート。
お仕事での滞在にも、ご家族での週末旅行にも。当サイトから直接ご予約いただくと、予約サイトよりもお得です。 ご予約はこちら
よくある質問
ティオンヴィルからメスへの行き方は?
TERで約25分、1時間に最大3本運行しています。車ならA31号線経由で、交通状況にもよりますが約30分です。
メスを1日で観光するなら、何を見るべきですか?
駅と帝国地区、ポンピドゥー・センター・メス、サン=テティエンヌ大聖堂、屋内市場、そしてタンプル・ヌフのあるモーゼル川のほとりです。すべて徒歩で回れます。
メスの大聖堂はなぜ「神のランタン」と呼ばれるのですか?
約6,500平方メートルという、フランスの大聖堂で最大のステンドグラスが、身廊を光で満たすからです。
2026年のメスのクリスマスマーケットはいつですか?
2026年11月20日から12月30日まで、中心部の5つの広場で開催されます。
ポンピドゥー・センター・メスは行く価値がありますか?
はい、建築だけでも見る価値があります。展覧会は定期的に入れ替わるので、事前に公式サイトでプログラムをご確認ください。